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5月29日放送の「ガイアの夜明け」は
ご覧になりましたか?
私は事前に放映内容の予告を見て、
普段はその時間はテレビを見ないのですが、
当日はリアルタイムで放送を見ました。
壁が薄いと評判?のレオパレス物件ですが、
まさかの天井裏の壁がないという、
想像以上の実態が明らかになりました。
私は前職は某ハウスメーカーで設計職を
していましたが、工事監理業務として
完成検査にも立ち会っていました。
現在は民間の検査機関が多いですが、
当時は行政機関の建築指導課の担当者が
検査員として現地に来て、
天井裏の界壁をチェックしていました。
また完成時には隠れてしまう界壁の
石膏ボードの2重張りやグラスウールの
施工状況も、工事の進捗写真を提出して
検査を受けていました。
今回の実態に関しては、一般の方より
実務として担当していた私の方が、
むしろ驚いたかもしれません。
発覚したのが1996年から2009年の
完成物件ということで、今から
9年から22年前ということになります。
民間の検査機関が誕生したのが
1999年5月ですが、当時はまだまだ
行政機関が完成検査を担当していたと思います。
ガイアの夜明けでは、行政の検査担当者が
現地をチェックして、天井裏の界壁がない
物件を違法建築物と認定していましたが、
当時の検査不備を露呈したようにも感じました。
しかし、点検口などがなければ
写真で確認するしか方法はないので、
おそらく当時は違う物件の写真を
提出されていたのではないかと思います。
レオパレスは新聞報道で、手抜き工事では
なく、図面と施工マニュアルの整合性の
不備と社内検査体制の不備が原因と回答しています。
建築の実務に携わっている人であれば、
「苦しい言い訳だな〜」と思っているはずです。
どんな理由があっても、天井裏の界壁を
施工しないという状況にはなりません。
職人や施工業者は、
独断で勝手に図面と違うことはやりません。
ましてや同地域の数件ではなく
違うエリアに渡って発覚しているので、
組織ぐるみと思われても仕方ないと思います。
では、なぜ天井裏の界壁を施工しなかったのか?
これは、建築費の「コストカット」以外に
ありえないと思います。
それと放送を見て気が付いた方がいるか
分かりませんが、天井裏に全く断熱材が
見えなかったです。
また、天井より下の界壁部分も、
法令に遵守している仕様になっているか、
触れられていませんでした。
上記の2点についても調査する
必要がありますし、天井下の壁まで
是正工事となれば、補修工事は更に
大変な状況になると思います。
弊社がコンサルティングする物件の多くは
戸建賃貸ですが、長屋建てと言われる
テラスハウスを企画する場合もあります。
その際は界壁がきちんと施工されているか、
現地もチェックします。
また、企画の段階で法令では定められて
いない遮音シートも追加で施工しています。
入居者目線で考えれば、長屋建てや
共同住宅では、上下階や隣接住戸の
遮音について、可能な限り対策する
というのが当たり前だと思います。
企業モラルやコンプライアンスだけでなく、
賃貸経営はサービス業だと認識されれば、
こういった問題事例はなくなると思います。
今回の「稼ぐ戸建賃貸」レポートが、
皆様のお役に立てば幸いです。
2018年6月18日
岡 宏
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