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先日、物件の隣地から苦情の連絡が入りました。
以前戸建賃貸を建築した現場です。
クレームの内容は、
「隣地が雑草が延び放題で、こちらの美観も悪くなるし、また、ゴミのポイ捨てなども発生してしまっている。
何とかしてほしい。」
というものでした。
物件の庭からの雑草がひどいことになっていたのですね。
今回のクレーム対応で難しいのが、その庭というのが、入居者さんの専有部分になっている、ということ。
共用スペースであれば、毎月の定期清掃を入れるなり、雑草の繁茂期前に処理するなどの方法が考えられます。
ところが、戸建賃貸ということもあり、庭などのスペースも一体として貸し出しています。
というより、共用部を極力なくすように企画したものでした。
共用部がなければメンテナンスコストもかからなくなります。
アパートやマンションの共用部のメンテナンスコストは、積み重なればけっこうな金額になり、ばかになりません。
しかし、戸建賃貸のあまり知られていないメリットとして、そのようなメンテナンスコストがかからず、実質利回りが高くなる、というものがあります。
ところが、そんな隠れたメリットが今回の場合、クレームにつながってしまった、というわけです。
もちろん、入居者さんに、
「ここは専有部分なので、庭の手入れは入居者さんが行わないといけないことなんですよー。
しっかりメンテナンスしないと、善管注意義務違反になりますよ〜。」
と言うこともできます。
しかし、今回の物件は、けっこうな広さの庭で、しかも、当該入居者さん本人は庭の広さにメリットを感じて入居されてきた方ではありませんでした。
当然、庭の手入れなどにはまるで関心がありません。
まだ入居者さん対応はこれからですが、建築中、実はこのような可能性も頭によぎったことがありました。
ところが、建築コスト削減のため、
「とりあえずは、簡易的な外構にしておいて、またゆくゆくしっかりとしたものを考えましょう!」
というお話をオーナーさんとしていたのを覚えています。
たらればになりますが、もし、庭好きの方であれ、まったく興味がない方の入居であれ対応できるような庭にしていたらこのようなクレームも防ぐことができたことでしょう。
もちろん、コスト的な問題もあったのは確かなのですが、ケチったのが悪い、と言われればそれまでです。
問題を先送りすると、それが何倍にもなって返ってきてしまいます。
人生の法則そのものですが、賃貸経営でももちろん例外ではありません。
建物本体だけを考えるのではなく、配置計画や外構計画についても将来的な賃貸経営をイメージしながら進めていきましょう!
2015年6月15日
谷本 真
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